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ヒナータフ通信#72「宝のチカラ」 ...

ヒナータフ通信#72「宝のチカラ」 <これまでの、あらすじ>謎の生物、「シスパ」に、勝手に"望み"を限定され、危うく、「パチンター」にされる危機を脱した、「私」は、次なる"望み"、「力」を手に入れるべく、首根っこを掴まれて、空に舞い上がり、問答無用で、妙な場所へと連れて行かれるのだった。 どこかで見たことのある彫刻だ、と私は思った。周囲を一回りしたが、作品名は書いてない。確か、人と待ち合わせの際に、目印にしていた彫刻。勝手に、「歯」と命名したものではなかったか? 首を傾げる私に、彫刻の上で翼を畳んだシスパが言った。 「うむ、これに作品名が付いていないのは、しごく当然だ。何故なら、これは、彫刻ではないからな!」 え? と、思わず聞き返す私。 「これ、彫刻でなければ、なんなんですか?」 シスパは、目を閉じ、縄で結ばれた手を、器用に操り、腕組みをして、答えた。 「本物の、歯だ。巨しんへ………もとい、"超 竜"のな」 私は、それを聞いた途端、「なーんだ、やっぱり、"歯"で、あってんじゃん…………ん? んんんん?? "超竜の、歯"、ですと⁈」 シスパは、大きく頷きながら言った。 「そうだ。かつて、超竜たちが、この星系を荒らしまくっていたときに、我々、"天使軍" が、そこに生きる者達を救う為に、派遣された。超竜とは、恐竜を、惑星規模にスケールアップしたものと思えばいい。なので、ふつう、主戦場は、宇宙空間か、亜空間になるのだが。」ぽかんと口を開ける私。話が飛躍してついていけない。 「我々の、大きさの尺度は、貴様らニンゲンとは、いささか、異なる。その壮絶な闘いの決着を付けるべく、私と、やつらのボスとが、この地で一騎打ちになり、私がとどめの"ポリデンティカル・アッパー・カット” を放った際に、相手の歯が折れて吹っ飛び、ここに着地したのだ」 まさか、この辺境のいなか町で、かつて、そんな壮絶なバトルが繰り広げられていたとは! 帰ったら、小学生の頃の「副読本・ヒナータフの歴史」を読み直さねば。あと、自己申告ではあったが、シスパが、"天使" 、それも軍団を率いるリーダーだとは、想像もつかなかった! 背中に翼が生えているのに、6つに割れた腹筋にしか着目していなかった。なんたる不覚! 私の反省をよそに、シスパは、ふんっ、と気合を入れると、一瞬で、雲つくような大男に変貌した。 「なんと!」私は、8階建てのビル並の威容に目を見はった。ちなみに、ここヒナータフには、田舎であるのと、防災面の理由から、8階より高い建物は、ほぼ存在しない。次に高いのは、送電線の鉄塔くらいである。 「そこで、だ。その歯を削って、300ccの水で飲みなさい。もしくは、私の汗を、300cc、飲むか」私は、この「究極の選択」において、コンマ一秒も迷わず、歯を選んだ。 カリカリと歯の表面を削り、その粉末を、ペットボトルの水で流し込む。 「お、お、お!?」 私は、全身に力がみなぎるのを感じ、一瞬で、風船のように巨大化した。超高速エレベーターのように、視界は、瞬く間に雲の上に達する。当然、眼下の建造物は破壊され、ミジンコ並みに小さな、人間達が逃げまどっている。「ハッハッハ、まるで人が、セミのようだ!」と、言ったはずの、私の口からは、大地を揺るがす、獣の咆哮が。しかも、手を見ると、ウロコとトゲに覆われた、分厚い皮膚に、禍々しい鉤爪。とりあえず、困った為、角の生えた頭を爪で掻く。すると、「"ポリデンティカル・アッパー・カット” !!」の雄叫びと共に、凄まじい衝撃が私を襲い、一旦、大気圏外に飛び出すと、自由落下で、大地に頭から突き刺さった。萎びた風船のように、体が元に戻るのを感じ、薄れ行く意識の中、シスパの「あ、つい、クセでやっちまった! が、これで、貴様も、分不相応な"力"は、我が身を滅ぼすだけだと、分かったろう?」、という声が聞こえてきた。………………私、全部、アナタガ、イタトオリニ、シタヨ。ワタシ、ナンモ、ワルク、ナイネ………………。意識が遠のく中、シスパの、「大丈夫か? 傷は浅いぞ! って台詞、一度、言って見たかったんだ。ありがとな!」という声を聞いた気がした。(続く)

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