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ヒナータフ通信#78 「お宝プレゼント」 二人(?)で、顔を見合わせて、ひとしき...

ヒナータフ通信#78 「お宝プレゼント」 二人(?)で、顔を見合わせて、ひとしきり、笑う。私は、心の中に、一つの灯がともるのを感じた。 「要するに、あなたは、親友の身代わり、言ってみれば、童話の『泣いた赤鬼』に出てくる、嫌われ者役の『青鬼』を実地でやった訳ですね?」 「あ〜、そんな、かっこいいモンじゃねーな⁈ ま、成り行き、っつーか⁈」 ぽりぽり、頭の後ろを掻く、シスパ。 「突然、語尾が、ヤン*ーマ*ガ口調の、『⁈』で、締めるということは、図星ですね⁈」 「ああん ⁇!!?!」ヤン*ー*ン*口調全開で、動揺しまくる、シスパ。 「分かりました。私の願いは、これです」 私の心を読んだのだろう。目の前に、シスパの、唖然とした顔がある。 「あなたを、宝箱から自由にして下さい」 ………………。 ……………………。 …………………………。 沈黙を破ったのは、シスパだった。 「いや、マジか、お前、マジか、俺も、マジか?」 「はい、全部マジです。」 きっぱりと言い切った私に、頭をがりがりと掻きむしりながら、シスパは言う。 「お前、自分が言ってる意味、分かってる? 今なら、金の延べ棒、1万tも、新世界覇王伝説も、世界約35億人にモテモテで、シャンパンタワーに、フルーツ追加も、思いのままなんだぜ? それを、棒に振るってか?!」 「最後の例えの意味が、よく分かりませんが、まあ、そういうことです。理由は、私がそうしたいから。いけませんか?」 「…………いや、いけなくはない。いけなくはないが…………」 俯いたシスパの顔を覗き込もうとすると、やおら、彼は背を向け、天、目掛けて吠えた。獅子か、狼の唸り声のような絶叫と共に、噴水のように迸る、雨が降ってきた。私は、呆然として立ち尽くす。 ひとしきり、泣いたあと、シスパは、鼻をすすり、「泣いてなんか、ないやい! 今のは、腹筋の涙だ!」と、こちらに顔を向ける。 あんた、ガキ大将ですか、とか、やっぱ、泣いてんじゃん、とか、あれ、腹筋の涙だったら、全部避ければよかった、と思う私に、シスパは近づいて来ると、びしょ濡れの私を逞しい腕で抱きしめた。 「やっと分かったよ。俺の胸の中で、ずっと揺れてた、海みたいな何か。あれは、涙だったんだな…………。[青鬼]だって、泣きたい時もあるさ」 よく分からないが、何か納得するところがあったらしいシスパは、厳かな顔つきで、宣言した。 「銀河軍団長、[シスパ]の名において命ずる。『私を宝箱から自由にせよ』!」 その言葉と共に、彼の腕を縛っていた縄が、ブチン、とちぎれ、シスパは空中に躍り上った。 「さらばだ、ニンゲン! この恩は、決して忘れない。また会おう、銀河の彼方で!」 大空に翼をはためかせ、飛び去るシスパは、やがて、点となって、虚空に消えた。 同時に、亜空間は消滅し、ドラム缶が目の前にあった。たきぎの山もなくなっている。きっと、たきぎにされた冒険者達も解放されたのだろう。 私は、踵を返して、家路についた。 あの、「シスパ」って名前、適当につけたあだ名なんだけど、本名だったのか!、と驚きながら。 (あとちょっと、続く)

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